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大阪の投資市場:レジデンシャルが注目のセクターへ

大阪の不動産投資市場において新たな投資機會を発掘しているのが外資系投資家の存在だ。インバウンド増加とともに都心商業施設への投資に注力したかと思えば、床不足を背景にオフィス投資へ切り替える。そして彼らが現在注視しているがレジデンシャル物件である。一部の優良物件では利回り4%を下回り、取得競爭が激化しつつある。

2019年 12月 18日

人口増で大阪都心のレジ投資が腳光浴びる

オフィスからレジへ投資先を切り替える外資系投資家

大阪?関西圏が外資系を含めた投資家にとって東京とならぶ國內有數の不動産投資市場となって久しい。そのなかでも外資系投資家は都心商業にまず軸足をおいて、その後オフィス投資へと変化してきた。インバウンド需要の高まりから盛り返した商業にまず著目し、その後空前のオフィス不足が顕在化するや、投資をオフィスへと振り替えるなど、機會を著実にとらえる機動的な動きをみせつつ投資を拡大してきた。その外資系投資家がいま注目しているのが賃貸住宅を中心としたレジデンシャルセクターである。特に大阪のレジデンシャルに目を向ける外資系投資家が増加傾向にあるが、その背景には何があるのだろうか。

外資系投資家がオフィスからレジデンシャルへ投資先を切り替える好例が、2019 年6月に行われた米CBREグローバルインベスターズと大阪に本社を置く有限會社フェニックスとの取引であろう。CBREグローバルインベスターズがドイツの年金運用機関であるBVKから出資を受けたセパレートアカウント投資で保有していた大型オフィスビル「御堂筋グランタワー」と、フェニックスが保有する大阪市內を中心とするレジデンシャル物件18物件を約200億円で事実上「交換」している。つまりこのセパレートアカウント投資のポートフォリオをオフィスからレジデンシャルへと一気に入れ替えた形だ。

今後20年続く人口増が大阪レジ投資を下支え

投資家好みの都心部にレジ供給増加

大阪のレジデンシャル市場が腳光を浴びている理由はさまざまある。まずは人口の著実な上昇があげられる。日本の総人口が2015年から減少トレンドに入っていることは周知の事実であるが、主な投資対象となる大阪市內都心7區1の人口は、2018年までの過去20年間で実に45%増加2している。さらに今後20年あまりは同エリアの人口は上昇を続け、2040年には2000年初頭との比較で60%の増加3が見込まれている。人口が減少していくなかで人々の都心回帰が少なくとも今後20年は続くことがいわば「保証」されていることが、まず投資家の安心材料になっているといえる。

こうした人口流入を受けて賃貸住宅の新規供給量は過去最高レベルに達している。國土交通省がまとめている建築著工統計から賃貸住宅の供給量をみると、2017年に18,800戸が供給され過去最高となったのをはじめ、翌年の2018年も18,538戸が供給されるなど、大阪市內は2年連続で18,000戸が供給されている。2018年の供給のうち、増加する人口へ対応すべくおよそ34%は都心7區での供給であることから、投資家が好むエリアに多くの投資対象が増えているといえる。

供給増も賃料10%上昇する大阪レジ投資

すでに取得競爭が激化

また大阪の場合、これだけ新築物件が多く供給されているにも関わらず、賃料が右肩上がりを続けていることも投資家にとっては極めて良いニュースであろう。2018年までの過去7年で、都心7區の賃料は約10%上昇している。多くの新築物件が賃料上昇に寄與しているとはいえ、調査対象となる賃貸住宅のほとんどが賃貸借契約の関係で賃料の増額改定が極めて困難な既存物件で占められていると考えると、この賃料上昇率は極めて高いといえる。

こうした足元の良好な環境から、大阪のレジデンシャル投資市場には多くの外資系投資家が參入してきている。先のCBREグローバルインベスターズのみならず、実に様々な國籍の投資家が大阪のレジデンシャル市場で存在感を増してきている。それに伴い利回りの低下も顕著で、一部の好立地?築淺物件では4%を切る水準まで低下してきている。これはひとえに取得競爭が激化してきている証左であろう。

商業からオフィスを経て、現在はレジデンシャル市場が活況を呈す大阪の不動産投資市場。流行するセクターは時間とともに変化しているものの、活況が長く続いているということは、それだけ大阪が魅力的な投資先であり、數多くの投資機會を提供しているということでもあろう。今後も大阪?関西の不動産投資市場は國內外の投資家が多く集う、にぎやかなマ?ーケットになっていくことは間違いない。

1 中央區、北區、福島區、西區、浪速區、天王寺區、阿倍野區

2 大阪市「住民基本臺帳人口」データによる

3 國立社會保障?人口問題研究所のデータによる

(JLL日本 キャピタルマーケット事業部 リサーチ ディレクター 內藤 康二)

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