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パンデミックという逆風の中、アジア太平洋地域のホテルは進化する

新型コロナウイルスの影響で世界的に渡航制限がなされ、ホテルにとって強烈な逆風となっている。そうした中、アジア太平洋地域の各國ホテル業界は「宿泊」のみに頼らず、時流に合わせて様々な対応策を模索している。醫療従事者を滯在させる他、軽癥者の隔離所として活用するなど、新型コロナウイルス流行中でも稼働率の改善を試みている。

2020年 05月 12日
ホテルの空室が「隔離所」に

新型コロナウイルスのパンデミックによって世界規模で渡航規制がなされる中で、ホテルは最も大きな打撃を受けた業界の一つとなった。しかし、アジア太平洋地域の一部ホテルでは帰國後に14日間隔離するための滯在場所として空室を提供しているのだ。?

最近になって地域內各國の政府が帰國者に対する隔離措置を強化しており、家族のウイルス感染を防ぐため、自宅ではなくホテルで2週間の隔離期間を過ごすことを義務づけるようになった。

例えば、シンガポール政府は海外からの帰國者を滯在させるため、アコールやインターコンチネンタルホテルグループなどのチェーンから7,500室を超えるホテルの客室を予約したと報道されている。オーストラリア政府も同様に感染拡大を封じ込めるため帰國者を大手ホテルに滯在させる他、香港では14日間の自主隔離期間を義務づけられる學生や住民、駐在員に「隔離パック」を提供。日本でも軽癥者についてはホテル等の宿泊施設で療養させる方針に切り替えた。

JLLホテルズ?アジア太平洋地域?アドバイザリー擔當?シニアヴァイスプレジデント サシ?ラジャーンは「國際旅客の需要減少により、ホテル経営會社はありとあらゆる事業機會を検討している。現狀キャッシュフローをもたらし業務継続を可能にするあるあらゆる事業が前向きな結果であるとみなされる」と説明する。

醫療従事者への支援の輪

地域內のホテルは隔離所としての機能を果たすだけではなく、醫療関係者も滯在させている。格安ホテルグループであるOyoは、インドやタイの政府と協力して醫療関係者に無料や割引価格で客室を提供している。フィリピン、スリランカ、ジャカルタでも同業他社がこれに追隨した。

オーストラリアのビクトリア州は「ホテルズ?フォー?ヒーローズ」プログラムを発表し、醫療施設で働く臨床スタッフやそれ以外の職員を隔離し、家族を感染させないようにするため無料で滯在できるようにしている。

日本でも醫療従事者に対して無償で客室を提供するホテルが増加しており、醫療従事者への支援が広がっている。

ラジャーンは「これらは価値ある努力だ。前代未聞の狀況では、団結が求められる。これらの國々のホテル業界にとっては政府がもたらした命綱ともなっている」と指摘する。

しかしほとんどのホテルにとって、こうしたサービスの提供は容易なプロセスではなかった。施設內の消毒や宿泊客が客室から出たり家族が訪れようとして違反が生じないようにするためのセキュリティ手続きに関する研修も実施された。

ラジャーンによると「リスクが高い時期には、ホテルが當局の定めたガイドラインに従うことが非常に重要であり、スタッフが十分な説明を受け正しい予防措置がとられることを確保するため、その福利にも配慮しなければならない」という。商業的には、ホテル運営會社は損益分岐點を何度も計算しなおし、コスト構造を検証し、政府機関や民間企業との一時的な緊急滯在契約などのあらゆる事業機會を検討しなければならない。

評判と復活

將來に目を転じると、復活戦略の一環として市民が抱く印象にも対応しなければならない。ラジャーンは「ウイルス関連でホテルのブランドに傷がつく可能性があり、宿泊客のみならず近隣住民等に対しても感染防止策について明確なメッセージを発する必要がある」と指摘する。

また、ホテルがウイルス対策のために扉を開き、醫療関係者に客室を開放したり隔離を義務づけられた人に滯在先を提供しながら、同時にスタッフの雇用を維持することでブランド価値は向上するだろう。

ラジャーンによると「ほとんどのホテルがこうした責任を果たす中、マイナスの印象は速やかに薄れている」という。政府や當局と協力して今回の危機に立ち向かいつつ、業界の破綻を防ごうと努力していることが何より重視されるべきだろう。

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